身近な経営を考える 2
先般発表されたOECD加盟国の労働生産性比較。
日本は見事に下位グループに属し22位。
1位は当然のことながらGDP/PPPでぶっちぎっているルクセンブルグがここでもぶっちぎり。
ものすごく単純に考えて、日本人労働者は購買力平価で考えて一人当たり755万円程度しか稼いでいない。
ということは平均年収が400万円と考えても2人分にも満たないわけだ。
つまり、経済的に考えると1人の人間が自分を含めて2人の人間すら支えられない現状。
ところが日本の人口は1億3千万人程度いるので、半分の6,500万人全員が就業していたとしてギリギリ。
つまり失業率ゼロ程度であっても年収400万円の生活には届かないとも言える。
当然のことながら400万円以上稼ぐ人は沢山いるわけで、そうなると400万円にすら届かない就労者が溢れかえっているという現実は自然だ。
国民の平均年収が400万円だから自分は平均的だとか思ったら勘違いで、400万円ですら「高給取り」の部類に入る現実。
一方で、例えば米国のそれと比べれば日本の労働者の生産効率はおよそ3分の1。
GDPで両国を比較するとこれもおよそ3分の1程度なので、つまり日本人が米国人並に3倍の効率で働けば「大国・小国」関係なくGDPで肩を並べることになる。
かなりパワープレーの過言になるが、失業対策だとか拡大分野がどうのとか以前に、「労働効率」を考えた業務内容にすることが先決のように思う。
世界トップクラスのインフラ設備ももちろんのこと、多くの国と国交を持ち、当然ながら工業化が進み相当分工場制機械工業国家となった日本が、まだまだ機械化が進まずえっちらほっちらやってる新興国と並ぶ、もしくは劣る労働生産性であるという現実は相当深刻に考えなければいけないと思う。
わざわざ「額に汗して働くことが美学」なんていう妄想をいつまでも抱いていては1億3千万人という莫大な人口を支えきれない。
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コメント
これ、すごく興味深い情報ですね!
日本って、G7の中で最低なだけでなく、OECD平均も下回っているのですね。しかも、財政危機にあるアイスランドやギリシャよりも目に見えて低いとは・・・4位アイルランドまでが先行集団、19位ギリシャまでが第2集団で、日本は第3集団ですね。
ところで、同様の評価を日本の企業(特にサービス業)に対して行った報告書はあるのでしょうか?ホワイトカラーの生産性は評価しにくいとよく言われますが、(連結)営業利益や経常利益を(連結)社員数で割ったら全社横並びに評価できますよね?
社員の生産性が高い企業は、同じ利益率の企業よりも成長性がありそうな気がします。
投稿: オイシーD | 2011年1月 5日 (水) 06時32分