まさに「棚にあげて」ヨーロッパの財政危機、ユーロ危機を連日のように報道では取り上げている。
世界経済が低迷しているのはまるでヨーロッパのせいとばかりの報道にあきれて物も言えない。
これは報道の低下なのか、視聴者国民の低下か。
今般のユーロ危機が騒がれる前には、米国のサブプライム問題で日本はえらく迷惑をこうむっているという話で盛り上がっていたし、年初は震災の影響でと。
さらにさかのぼればライブドアショックだとか、小泉竹中界隈が日本を沈没させただとか。
しかしいずれのことがあろうとなかろうと、日本はそもそも沈没しているわけで、いつまで責任転嫁に明け暮れるのだろうか。
ユーロ問題に際し、ギリシャとドイツを童話「アリとキリギリス」に置き換えて論じているコラムを目にした。
働き者のアリをよそ目に、夏を謳歌したキリギリスが冬になり助けを請うと。
日本は世界トップクラスの金持ち国家であったにも関わらず、湯水のようにお金を使い、使途にこまれば挙句地方自治体に配り、大きな石だとかわけのわからないものに形を変えた。
そして今財政難だから増税だと、若い世代子々孫々の財布に手を突っ込もうとしている。
未だに、日本国債は自国消化がほとんどなので問題無いという不思議な理屈を振り回している政治家や学者も多いが、ほんの数ヶ月で4%台から7%超えまで跳ね上がったイタリアのケースで考えると、日本国債の「利払い」は数ヶ月で数十兆円跳ね上がる計算になる。
十数兆円と言われる震災復興財源ですら15年計画でとか議論している時に、数ヶ月で数十兆円調達しなければいけなくなるわけだ。
税収が40兆円にも届かないかもしれないときに、国債利払いだけで税収を超える状態であればユーロや株式で大きな含み損を抱えている機関投資家が売却に回れば、一瞬で日本は冬のアリと成り果てるわけで。
国債が自国消化されているからと、ユーロを遥か向こうの火事のように、「大火の中から報道する」感性はたいしたものだと思う。
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